わくわく3KEN(健・賢・研)広場⑲ (あ~すまいりーずの読み聞かせ) |
今回読み聞かせをしていただいたのは「あとかくしの雪」という紙芝居でした。このお話は、日本各地に存在する「空海(弘法大師)伝説」のひとつです。以下あらすじを紹介します。 むかしむかし、ある冬の日の夕暮れ、一人のお坊さんが小さな村にやってきました。お坊さんは、一軒一軒訪ねては、「どうか一晩だけ泊とめてください」と頼んで回りました。しかし、みすぼらしいお坊さんを家に泊める者は誰もいませんでした。今にも雪が降り出しそうな日で、野宿をするわけにもいきません。お坊さんが最後に戸をたたいたのは、村でも一番貧しい家で、お婆さんが一人きりで住んでいました。「何もいらないから、どうか一晩だけ泊めてください」と頼みこみました。お婆さんは、お坊さんを快く家に招き入れました。ところが、このお婆さんは貧乏で、何ひとつお坊さんをもてなしてやることができませんでした。そこで、仕方なく、晩になってから、お婆さんは隣の大きな家の大根畑へ行き、「今日だけは、許してくだされ」と手を合わせ、その畑から大根を一本抜き取りました。雪の上には、お婆さんの足跡がくっきりとついていました。家に戻ったお婆さんは、それで大根焼やきをつくり、お坊さんに食べさせました。寒い晩だったので、お坊さんは心からうまそうに、お婆さんのつくった大根焼きを食べました。翌朝、まだ夜も明けぬうちに、お坊さんは旅立ちました。やがて日が昇ると、さらさらと雪が降ってきて、雪は地面をすっかり隠しました。お婆ばあさんの足跡も雪がみんな隠してしまいました。 |